忘れられない

恋心

そんなとき、街は賑やかになり始めていた。
クリスマスが近づき、至る所でイルミネーションが輝いていた。

「昴はクリスマスどうするの？」

「どうするって、仕事。」

「クリスマス休んでどっか行くのは、この中じゃ真矢だけだよ。昴も先輩も仕事。」

「なに、真矢どっか行くの？」

「雅也さんと泊まりで旅行だってさ。うちらは頑張って仕事しようね。」

「真矢、お土産楽しみにしてるから。」

「何がいいですか？」

「美味しいもの。」

「わかりました。恵菜と昴にも買ってくるからね。」

真矢は、すごく幸せそうだった。
今まで好きな人とかいなかったし、クリスマスがそんなに特別なものだとは思わなかった。
でも今年は…。
優人さん、クリスマスの夜は空いてるんだろうか？
できたら、一緒にいたい。
優人さんが家に来たとき、それとなく聞いてみよう。