第零章

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    ――千駄ヶ谷、植木屋。 私は、ここで一生を終えようとしている。 私は幸せだった。 胸を張ってそう言える。 江戸で皆と過ごした日々。 京に上洛したあの日。 京に残留し、共に闘った仲間。 皆と共に駆け抜けた、この時代。 貴方の傍で、皆の傍で 怒り、喜び、哀しみを共有できた。 私が、私で居続けられた。 私が、私で在り続けられた。 けれど思い残すこともある。 それは、近藤さん。 最後まで貴方の剣でいられなかったこと。 皆と最後まで戦えなかったこと。 そして、 「‥貴方の…‥傍に、」 最後まで、居たかった。 最後まで、共に在りたかった。 約束したのに。 それを守れなかった私を、 「許して‥くれますか…‥」 .
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