第一章

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  「ばっ…‥馬鹿言うんじゃねぇ。お前は無理だろ」 なのに、土方のこの返答。 沖田は予想もしなかった。 「何故ですか?私だって二人の仲間です」 否定する土方を真っ直ぐ見据え、沖田は言う。 今までだって一緒に稽古や悪戯、色々して来た。 なのに…‥ 「それは総司、お前がよく解ってるだろ」 土方のその一言に沖田は俯く。 「私が…‥女だから…ですか」 ぽつり沖田が呟いた言葉。 それに土方は「そうだ」と頷いた。 沖田は俯いたまま悔しそうに唇を噛み、拳をぎゅっと握った。 今は結っていない長い黒髪が前に垂れ、沖田の表情を隠す。 女だから連れて行けない。 ただ性別が違うだけではないか。 「どうして女は駄目なんですか。剣の腕だってその辺の男には劣りません」 ばっと顔を上げ、沖田は土方さんを睨む。 男同然に育てられて来た。 強く、強く育てられて来た。 その事に不満はない。 (だってそれが私だから…) 剣にだって自信はある。 沖田のその視線に、土方は少したじろいだ。 .
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