第一章

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  「…‥っ、お前‥」 「ふふっ、驚きましたか?」 振り向くと、そこには沖田の姿。 しかし、先程までとは違っていた。 「髪‥」 「これが私の決意です」 沖田の長かった髪は、肩までばっさりと切られている。 沖田は土方の隣に腰をおろし、夕陽を眺めながら自分の思いを語る。 「髪は女の命って聞きました。だから、こうするのが手っ取り早いかと」 似合うでしょう?と、にっこり微笑みながら沖田は土方に問う。 夕陽の紅い光が優しく沖田を照らし、沖田の短くなった髪を赤く燃やす。 「土方さん」 呆気にとられている土方に、沖田は続ける。 「女だとか男だとか、そんなに大切ですか?私は力が欲しい。大切なものを護れるだけの力が。ぬくぬくと護られているのは嫌なんです」 女ではあるけれど、竹刀を振るのが好きだった。 周りの同年代の男子にも余裕で勝てる力を持っていた。 決して自慢などではないが、そうだったのだ。 そのため同年代の友達もいない。 自分は何で竹刀を振っているのか悩んだ。 もう竹刀を持つのを辞めようとも思った。 .
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