~第一章:出逢いで出費は八千万~

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「(まさか、自分は幽霊とかカミングアウトするとか……。って、まさかね)」 東条院からは感情的なものは読み取れないけど、不穏な空気が感じられる。 「そりゃ……昔はいたかもしれないけどさ、この現代技術の発達した世の中にそれは……」 「動くな」 瞬間、僕の動きは止まった。 否、首筋に当てられた冷たい何かのせいで、止まらなければならなかった。 それは世間一般では刃物と呼ぶ。 そして、普通の女子高生が持っていいものではない。 「とッ、ととと東条院さん!?」 「単刀直入に聞く。紅染朔夜、お前は何を知っている」 「…………」 人生に一度あるかどうか分からないような状況に陥ったかと思うと、さらに不思議なことを問われてしまった。 何を知っている……? 一体何についてなんだ? 「もう一度問う。お前は何を知っている?」
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