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「何についてかを教えてもらえると非常に助かるんですが……」
「バンパイア……吸血鬼についてだ」
「ピンポイントでの回答ありがとう。でもね、僕は何も知らない。知っているとしても、世界史担当の不良教師から聞いた豆知識程度だよ」
そう……僕に吸血鬼の『知識』は無い。
「だからさ、その物騒なものを仕舞ってくれない?」
「…………」
どうやら東条も理解してくれたらしく、首筋に当たっていた冷たい感触が消えた。
ホッと息を吐いて、振り返ろうとした瞬間だった。
「そうか」
その一言と共に、首筋に当てられていたナイフは僕の脇腹に突き刺さった。
それは激痛と表現するに相応しい……
「やっぱりね……」
「……?」
「そんなことだろうと思ったよッ!!」
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