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クロノード学園に来る前、僕は人里離れた山奥に親父と一緒に住んでいた。
一般人が見れば「日本にこんなとこあるんだ……」というような秘境の地だと思う。
そこでは「え?カンフー映画の修行?」みたいな鍛錬を始め、普通の人間には到底不可能なことばかりやらされた。
でも僕は全てやり遂げた。
だって、僕は人間じゃないから……。
「あ~あ~……」
森から抜け出した僕は、右脇腹に刺さったナイフを抜いた。
ブレザーは見事なまでに血塗れになっていたが、傷口に触れてみると……
「さすが……」
何事もなかった無かったかのように皮膚が再生して、出血も完璧に止まっていた。
それを確認して、またすぐに走り出した。
「吸血鬼の再生能力だな」
吸血鬼の再生能力……僕には、それが備わっている。
それは母親が吸血鬼で父親が人間だからで、結果として僕は人間と吸血鬼のハーフになってしまった。
いわゆる『半吸血鬼』というやつだ。
だから直射日光に当たろがニンニクを食べようが、全然平気なのだ。
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