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「朔夜、平和なのですで片付けようとするとハゲるぞ」
「ハゲません」
適当な一言を浴びせて僕の隣に座った親友……のポジションにいる宮沢賢也は、どこかの詩人と一字違いだけど、かなりのおバカだ。
「んだよ。今日はいつも以上にノリが悪いな」
「僕からすればこの平和的空間をハゲの二文字で一蹴されたくないんだよ」
平和とは何者にも侵されてはならない、神聖な状況……。
ハゲ如きで崩れてもらったら困る。
「それより朔夜、お前これから暇か?」
「そりゃ始業式も終わって、これからやることないしね。暇と言えば暇かな」
「暇なんだな……」
……見えないけど、賢也がニヤリと笑ったのは十分分かった。
嘘でも忙しいと言っとけば良かったかな……。
「実はよ、我等が担任にゴミの処分を頼まれてんだ」
「そしてそれを暇な僕に押し付けようと?」
「おぉ」
「断固拒否」
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