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友達が自殺した。原因はイジメ。でもずっと彼女は我慢してた。
どんなに酷いことされても、先生には言わなかった。
私はそんな彼女をただ見てた。
理由は簡単、学校では関わりたくなかった。でも、学校を出れば普通に話をするし、たまに一緒に出掛けたりもした。私が、学校ではごめんって謝ると、謝らないでって優しく笑ってくれた。
そんな彼女が自殺した。
私の目の前で。
彼女の住む団地の屋上から彼女は飛んだ。話があるって言われて、そこへ行った。
行くと彼女は手すりの向こうにいた。駆け寄り止めようと袖を掴んだ時、彼女の顔をみた。いつか謝ったとき見せた優しい笑顔だった。彼女から1通の手紙を渡された。そして彼女は掴まれた袖を振り払い、下へ飛んだ。
酷く鈍い音に混ざり、トマトを落とした時の様な音が聞こえた。
私は立ち尽くした。何も出来なかった。私は彼女に何もしてやれなかった。最後まで私はただ見ているだけ。手に握られた彼女の手紙を開いた。あぁ、私はまた見ているだけだった。
《お前が一番私を苦しめた。お前は許さない。》
私は見てるだけ。学校の外では偽善ぶり、彼女が助けて欲しい時、私はただ見ていた。
傍観者として人を殺したのか・・・彼女が私を許してくれることは一生ない。
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