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「…聞いているんだが」
クールな口調と、落ち着いた顔。
ますます見られないし話せない。
“秘密”を知られては、私の身はどうなるのだろう。母様…………、私どうしたらいいですか?
「あの…」
「人に言う気はない。ただ…、傷痕が気にかかって来ただけだ。―――気にするな」
って言われても…。
天子やら領主に売られたら…
「天子やら領主に売るきはない」
「心読んだ!?」
「そなたが口に出したのだ」
彼の目は、嘘をつくような瞳をしていない。人の幸せを導く“導倖師”の私が、人の目を読み取れないわけはないけど…。
どうしよう…。
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