最悪な出会い

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「本当に、言いませんか?」 って何言ってんのよ…。 そう思いながらも、相手の出方をうかがっている自分がいる。こちらは真剣そのものなのに、彼は…………… 微笑んでいた。 というよりも、馬鹿にしたような笑い方だった。 「誰にも言わぬと…、言ったであろう。ならばこうするか?………私も、職業を話す。なかなかの等価交換だろう?」 「貴方も、人に言えないような仕事を?」 胡蝶は手に持っていた箒と塵取りを店の隅に置き、男を店の中にある机に向かわせ椅子に座らせた。 男は礼を言い椅子に座り、胡蝶の質問に答えた。 「言えない………といえば言えないが、大切な者達には言っても良いことになっている」 「ふ~ん………」 適当に相づちを打ったが、迷った。 ―――どう言えばいいのだろう…。 説明するにしても、とても難しい。 さて、どうしたものか。 .
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