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「あっ…君!?」
男は声を上げたが、煙が消えた頃にはすでに胡蝶の姿はなかった。
「あの怪我で…無茶なことを…」
満月の夜
たったちょっとした出来事が、後に胡蝶(偽名)の人生に影響されるとは思ってもみなかっただろう。
ただ、この際に勿忘草『忘却』の花言葉を使っていればこんなことにならずに済んだのは言うまでもなく、胡蝶は後悔の念を抱くことになるのは明日の昼だった。
満月の夜
白牡丹の咲き誇る街路地にて
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