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「いつもありがとうね」
「毎度ありがとうございます」
―カランカラン
宮さんが出ていったときには、すでにお昼を過ぎていた。
「さぁて、掃除でも…」
そういいながら、部屋の隅にある箒と塵取りを手にし、外に出ようとした胡蝶の目の前に男が突然現れた。
「きゃぁ!!」
箒と塵取りを手にしたまま転げてしまい、胡蝶は尻餅をついた。
いたたたた…
お尻をさすりながら立ち上がり前を見ると、大人びた青年が立っていた。
「ちょっと…いきなり来ないでくださ…ってああ!!」
顔を見て、胡蝶は目の前の男に指差した。
「昨日の怪我は大丈夫か?」
「えっと…」
姿を見られてはいけない。
ごめんなさい母様。
約束、沢山破ってしまいそうです。
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