‐ふつかめ‐

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とりあえず、なるべく下のタイルを見ながら歩く事にした。 恐怖を気にしないとか負けないとかいったけど…怖いものは怖いし…気持ち悪いものは気持ち悪い。 人間の本能。仕方のない事。 ずっと続く道を辿っていくと何故か女子トイレ。 …なんで? こんなに狂ったゆめなのに、なんでこんなに現実的なものが…。 ひくひくと頬が引きつって呆れている私がいる。 うん…きっとあれ…たまにはギャグ的な事も入れとこうとか思ったんだ…私の頭は…うん…そうそう…。 どこがギャグ的なのかって言われても答えられないけど…とりあえずトイレに入る私。 これは…おねしょフラグになるのね…きっと。 と思いながら水を流す。 外は変わらず、真っ黒。 新しい道を探して、また歩き出す。 報われる何かがある。 それは私の勘。だけど確信に近い勘。 どれだけ歩いただろうか。 私の目の前に、自転車が転がっていた。 私が乗るのにはぴったりの大きさ。 触ってみると、何かふっと私の中に入っていった。 …自転車…?そういえば、あのリストにも…。 ごそごそと取り出して確認する。 「じてんしゃ」の部分がいつの間にか赤い文字に染まっていた。 やっぱり…そういうことか…。 この狂気の世界での、私の役割はどうもこのリストのアイテムを全部見つける事…らしい。 アイテムの使い方も、何故か知っていた。 リストのじてんしゃの所を指でなぞる。私はいつの間にか自転車に乗っていた。 …流石、「ゆめ」ね…なんでもありになってきた。 頬をつねる。目の前が真っ暗になった。 目をこすりながら起きた私は、ふとんを見て、呆れていた。 おねしょをしていた。 …やっぱり…やっちゃったか…。
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