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目を開けるとまた黒い地面。見渡すと雑草が所々に生えていたり、立派な木が立ち並んで壁のようにも見える密林だったり。
今度は、樹海らしいわね。
空には、こっちを見て笑う、エジプトの象形文字を不気味にしたような猿の王様が飛んでいた。
怖くはない。
どうみても子供の落書き。
ちょっと不気味ではあるけど…
たかが空に浮かぶ背景。何も怖がる必要がないって訳。
流石に…怖がりの私だって、何回も経験すれば慣れる。
ちょっと歩くと、黄緑色とピンク色の物体があった。
向こうが透けてみえるってことは、つまり…
樹海の幽霊?
にしては動かないし、驚かしたりもしない。無害そのもの。ただのオブジェ。
私はその幽霊の正面に回ってみた。
口から何かの液体が流れ出ていた。
それぐらい。
ただ少しびっくりしたのは、触ると憑かれる事。
半透明で、私の頭の上でゆらゆらしてる。
気味が悪いけど…放置しよう。
所詮ゆめなのだから。
しばらく散歩してると、カエルを見つけた。
大きい。この不気味な樹海の主…かな?
とりあえず触ってみる。
何かが中に入る感じ。
リストを取り出してみると、「かえる」のとこが赤く染まっていた。
早速指でなぞってみた。
ゲコゲコ。
………。
えっと…。
何に使えばいいの?このかえる。
雨を降らせる訳でも無いし、高く飛べる訳でもないし…。
ただ、ゲコゲコ。
…なんて使えないアイテム…。
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