‐よっかめ‐

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今日は何も食べれなかった。 というより食欲が湧かないから自ら全て残した、の方がきっと妥当。 おばさんが心配していたようだけど…。 それが演技だっていうのは子供の私にだって分かる。 どうせ虐待をしたいだけだろう。 私を痛みつけて…鬱憤を晴らしたいだけなんだろう。 今日もベランダで月を見ていた。 時間が憎らしい。 運命が憎らしい。 知らず知らずの内に、腕に爪が食い込んでいた。 そして、私の目から、ひとつ、涙が落ちた。 寝よう。また同じゆめだろうけど…。 本当はもう嫌なんだけど…。 仕方ないの…私は所詮、こんな酷い運命なんだから。 ベッドに潜り込んで、目を閉じた。
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