‐いつかめ‐

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次に入った扉の世界は、月が綺麗な水溜まりの世界。 また会ったわね…お月様。 水溜まりの月にふっと笑いかける私。 さて…。 と周りを見てみる。 所々にぽつんぽつんと立っている電灯が、やけに水溜まりと似合う。 家とかだけ取り除いた、雨が降った後の寂れた街。 そんな感じを想像した。 私はこんな風景が好き。 自転車をこぎながら、きょろきょろしてたら、誰かの落とし物なのか、赤い傘が落ちているのを見つけた。 触って、リストの「かさ」をなぞった。 途端に雨が降り出す。 傘差してるから大丈夫なんだけど。 きっとこの突然の雨は傘の効果。 くるくると回しながら散歩。 暗くて寂しいけど、私は気に入った。 捻れた私の心を癒やしてくれる。 そんな気がした。 次に私の目に入ったのは…ピンクの階段。 階段の向こうは真っ暗で何も見えないけど…。 私はほとんど好奇心で階段を下りていった。 怖さは全く無かった。
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