‐むいかめ‐

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目を開けると、水色の階段。 それと、下から伸びる、無数の青い手。 何かを掴んで助かりたい一心で、此処まで伸びてきたのかな…? それとも 誰かを奈落の底に引っ張りこむ為の、地獄の使者…? もしそうなら、引っ張り込まれるのは、きっと私だろうな。 ふっと自虐的に笑って、階段を降りていく。 地下通路。 そう名付けるのがちょうど良い、黒い壁の、黒い通路。 エレベーターもある…と言うことはやっぱり地下通路なんだろう。 多分。 ずっと前へ進んでいくと、凄い炎。 けれど熱さとかは感じない。 そこら辺はゆめっぽいかな。 火を消すのは水。 傘の文字をなぞって雨を降らせると、あっという間に消火完了。 勢いの割りに早すぎるんじゃ… なんて思ったけど、敢えて突っ込まない事にする。 奥は本とか並んだ、研究室みたいな所。 その隅っこに、黒い物体。 口だけの生物。 その生物の下は血溜まり。 誰か食べられた。 この口だけの生物に。 眩暈がした。 けど踏ん張って耐える私。 その生物は、私は食べないみたい。 近くへ寄ってみても、襲いかかるとかしないから。 それだけで十分。十分すぎる。 ふっと私の中に入る感覚。 これもアイテムなの…? ちょっとぞっとしたけど、あの生物になるアイテムじゃないみたい。 まあ…敢えて名前も言わないし、着けないけど…。 とぐろみたいな髪になるのっ! 説明はこれで良いでしょ! その部屋の奥にも扉。 どこに続くのか。 そんなの分からないけど、私の足は止まらなかった。
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