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今日は雨。
仕方ないから、私は部屋でテレビを見ていた。
下らない話題。下らないジョーク。下らない人達。
私には、何が面白いのか分からない。
ふぅ、と溜め息を付いて、テレビのスイッチを押して、消した。
窓に、ベランダの床に、当たる雨の音。
こっちのほうが私には合ってるわね…。
もぞもぞとベッドに入り込んだ。
雨の音が心地いい。
しとしと。
鳥人間。
なんで、なんで『奴』まで私の記憶の中にあるのだろう。
ノイズだらけの記憶の中に。
私自らが封じ込めた記憶の中に。
私が居る。
私の周りに鳥人間。
鳥人間は私に何か罵声を浴びせていた。
私は涙を浮かべてされるがまま。
蹴られて、殴られて。
帰っても、誰も相談出来なくて。
ただ私は涙を落とすしか無かった。
ぶんぶんと頭を振って、嫌な記憶を捨てた。
ゆめへ行こう。今日も。
目を閉じて。
雨の音が消えた。
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