‐ようかめ‐

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今日も、生暖かい風の吹くベランダから。 ただ、何時もと違って、雨がぽつぽつ降っていた。 現実と繋がってる…訳はないか。 びしょびしょになる前に窓を開けて、扉の部屋。 今日も適当に選んで開けて、ゆめの世界へ。 象形文字みたいなのが書かれた大きい石盤。 それが目の前に広がっていた。 うわ… 何となく引いてる私。 おまけに血の匂いも微かにしてる。 はぁ… 全く…私の頭はどれだけ恐怖を見せたがっているのか…。 まあ…考えててもしょうがないし、さっさと進もう… 自転車を漕いでると、見たことがある生き物と、赤い液体。 確かあれは…先生のとこに行く途中にいた… 近付いてみたらやっぱりそう。 何の抵抗もなく触る私。 『ロングヘアー』の文字が赤く染まっていた。 …そのまんまね。 サラサラと流れる私の髪。 いつもおさげだから、たまにはこんなのも良いわね…。 そのまま歩いてると、また一匹。 これも触る。 『ブロンド』 今度はロングヘアーの金髪…こっちもなかなか良いわね…。 後は服が…ね。 綺麗な金髪を指でくるくる。 何よ、私だって少しぐらいおしゃれの感覚はあるのよ。 金髪をなびかせながら歩く私。 誰も見てないけど。 目の前にマンホール。 蓋が、誰かが開けたみたいな感じで開いていた。 少し、はしごが怖いけど、下りていった。
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