‐ようかめ‐

4/6
前へ
/100ページ
次へ
マンホールの中は、薄暗い下水道みたいなとこ。 変な匂いと、奥から響くちゃぷちゃぷという音、それと黒い水。 こんな世界にも、ちゃんと水道あるんだ…。 少し驚いてる私。 というか、誰が使うのこの水…。 まあそれは置いとこう。 左右確認してみたら道が伸びてるみたい。 とりあえず、私は左へ。 スライムみたいなのが道を塞いでいた。 一直線の道。 ねこ…はだめか… じゃあ退かすには…包丁しかないわね。 ぶすっと突き刺してみる。 けど、跳ね返されて変化なし。 もう一回っ…。 とか思って刺そうとしたら、ものすごい嫌そうな顔…。 な、何よっ…あなたが退かないのが悪いんでしょっ! ぺしぺし叩く私。 無反応。 まあ予想はしてたけど。 自転車に乗って、反対側へ。 白くて細い何かが水の中を歩いているけど無視。 いい加減、この匂いが鬱陶しい。 一直線な道をどんどん進んでいく。 黒い窪みが並んだ通路。 何この窪み… 覗いてみたら、いきなり気持ち悪い人みたいな絵が目の前一杯に広がった。 流石の私も悲鳴を上げて座り込んでしまう。 ドキドキしてるのを落ち着かせて、また自転車に乗って奥へ。 広い部屋に出た。 箱みたいなのがいっぱい並んでて、それ全部に不気味な色をした苔がびっしり。 下水道の端っこかな…? 良く見ると、半透明な幽霊がウロウロ。 幽霊? ということは…下水道で誰か… 考えるのは止めた。 私が原因を探った所で…何にもならない。 幽霊を触る。 「のっぺらぼー」の文字が赤く染まった。 着けてみる。 頭がくるくる。 跳んで回って元通り。 …目が回りそう。 外して、自転車に乗る。 まだ何かあるかも。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

438人が本棚に入れています
本棚に追加