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はっと気付いたら、いきなり目に、もの凄く大きくて、紫とか赤とか黄色の線がぐちゃぐちゃに混ざって出来た、空に浮かぶ気持ち悪い「何か」が映ってパニック状態な私。
あの顔だけの奴といい、今さっきの塊といい…
何なんだあれは。
何を表しているの一体。
「何か」が追いかけてくるように見える。
どれだけ逃げても。
私ぐらいの風車。
それが一杯並んでて、風もないのに回ってた。
そこに、よく見ると釣りをしてる人。
こんなとこに居ちゃだめっ!
立たせようと触った。
気付いたら、あの「何か」も無くて、風車も消えていた。
代わりに、黒くよどんだ海が広がっていた。
その海にぽつぽつと立ってる電灯。
逃げ切った。
ほっと息をついて、橋の上を歩く私。
適当に歩いてたら、自販機と階段。
階段か…違う所に繋がってるのかな…?
目の前には、あの下水道。
成る程。
釣り人は、あの顔に食べられて、あの世界に飛ばされた人の為の、救済用オブジェって事ね。
とりあえず進んでみたけど、やっぱり同じとこ。
じゃあ、もうここはさよならね。
頬をつねった。
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