‐ここのかめ‐

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扉の部屋で、私は座っていた。 記憶のフラッシュバック。 それは、過去の思い出したくない記憶。 あの時の、赤い液体、臭い、友達の目。 頭が痛い。 私は立ち上がった。 いつまでも、こんな記憶に捕らえられている訳には行かない。 今日は、この扉。 目を開けた。 いきなり、ぴかぴか光る生き物が、私を出迎えてくれた。 良く見る…必要もないけど、みんな光ってるみたい。 赤、黄色、緑、青。 ぴかぴかぴかぴか。 何ここ… 暗い世界観に合わないんだけど…。 まあ…そんな事言ってる私が、こんなゆめの世界を望んでるのは秘密だけどね。 自転車に乗って、探索。 床の、動物みたいな絵もぴかぴかしてて。 正直、目が疲れる。 ん? 私の目の前には、鳥型の、やっぱりぴかぴかした生き物が歩いていた。 他とおんなじ感じだけど、私はやけに引っかかった。 触ると、何か入ってくる感じ。 赤く染まった「ネオン」の文字。 なぞると、私の体がぴかぴか光り出した。 ああ…もう眩しいのは勘弁して。 直ぐに外して、また探索。 意外に、勘も使えるものね…。 ぽつんと、紫色のピラミッド。 私ぐらいの背しかないけど、一人前に入り口は付いてる。 怪しい。 というか、私のゆめの物体は何もかも怪しい。 入り口を覗き込んでみると、ふわっと体が浮いた。 それで、今ピラミッド内。 またぴかぴかしてたから、ちょっと目を瞑って休憩中。 はぁ…。 もう、ぴかぴかするのはご馳走様。
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