‐ここのかめ‐

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森を抜けた。 目の前に広がる、やけに気味悪い色の湖。 ん…?誰かいる…。 長髪の、セーラー服を着た女の人が、湖を見ていた。 髪で余り顔が見えないけど…きっと、何か思いつめているのだろう。 ドラマの見過ぎね…。 女の人は、道を塞いでた。 ということは、ねこか、ほうちょうか…どっちかを使うしかないみたい。 少し迷ったけど、結局、ねこを着けて、にゃーにゃーと招いたら 急に、女の人はこっちを向いた。 顔は無かった。 代わりに、顔の部分は黒く窪んでいて。 それがゆっくりと近付いてきた。 私はびくっとして逃げそうになったけど、ぐっと我慢。 とりあえず、どけてくれたから、進んでみる。 細い橋がかかっていた。 この湖の向こう岸に、何かあるわね…。 …確信はないけど。 でもこの橋、どうみても、渡れっていってるみたいだし。 渡らないと損でしょ? 湖には、変な形の…木…かな? それがぽつぽつと立っていた。 動いて、私を追いかけるなんて事はしないから無視。 橋の向こうには、明らかに他の木とは違う、灰色の枯れ木がぽつん。 顔も付いてるし…どう考えても、アイテムね。 触るとあの感覚。 「まじょ」の文字が赤くなってた。 嗚呼、成る程ね…。 確かにそれっぽい木よね。 とりあえず着けてみた。 黒色の、魔女の帽子と服。 箒まで付いてるサービスの良さ。 って、サービスって何よ…。 まあ置いておいて、とりあえず箒に乗ってみる。 ふわっと浮いて、気付いたら、空を飛んでいた。 と言っても、地面から数十センチしか離れてないし、速さも歩き並みだし。 まあ、可愛いから良いわよね、別に。 頬をつねって、ベッドに戻ってきた。
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