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私はベランダに居る。
結局、神様なんか居なかった。
神様さえ、私を見放した。
期待した私が馬鹿だったんだよね…分かってる…。
いつものように部屋に入った。
あのゆめと全く変わっていない。何一つ。
少し安心した私に気付いて、ぶんぶんと頭を振って、安心感を捨てた。
油断は禁物。テレビの目みたいに、私を怖がらせる罠があるに違いない。
恐る恐る、私の部屋の唯一のドアを開ける。
いっぱいのドアと奇妙なカーペット。
変わってない…か…ならもう大丈夫…確信は無いんだけど。
今日は、たくさんあるドアのどれかに入ろう。それが私が勝手に決めた課題。
ど、れ、に、し、よ、う、か、な…っと…。
適当に選んだドアの前に立つ。
ドアノブを回して、思い切り引っ張った。
黒い雲みたいなものが私を取り囲んでいった。なんで抵抗しなかったのか、自分でも不思議。
そしてドアの中に引っ張り込まれて、視界が真っ黒になった。
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