7人が本棚に入れています
本棚に追加
「信用はしない。あくまで利用させてもらうのだ」
「しかしカーネル!モロ族の城門は難く、数でも圧倒的に不利です」
尚も食い下がらない部下がいた。
他に比べ少し若い印象を受けた。
「ししし、失礼します!」
緊迫した空気の中、1人の一般兵がテント内に進入した。
慌ただしく入ってきたために男たちはその兵を睨み付けた。
「何があった?」
「先程、出てきた少年がすでにモロ族の城門を突破しました!」
…………………はぁ?
数々の戦いを生き抜いた男たちは皆すっとぼけた顔をした。
その表情の塊に、兵はたじろいでしまう。
そして暫しの沈黙が流れ、またもや兵が1人テントに駆け込むように入ってきた。
「今度は…………なんだ?」
カーネルも口をあんぐりとあけ、呆然としながらも言葉を発する。
「……しょ、少年により…………モロ族は鎮圧されました」
カーネルは胃が痛くなった。
もしかしたら、穴が開いたかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!