第壱幕 来訪者

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「信用はしない。あくまで利用させてもらうのだ」 「しかしカーネル!モロ族の城門は難く、数でも圧倒的に不利です」 尚も食い下がらない部下がいた。 他に比べ少し若い印象を受けた。 「ししし、失礼します!」 緊迫した空気の中、1人の一般兵がテント内に進入した。 慌ただしく入ってきたために男たちはその兵を睨み付けた。 「何があった?」 「先程、出てきた少年がすでにモロ族の城門を突破しました!」 …………………はぁ? 数々の戦いを生き抜いた男たちは皆すっとぼけた顔をした。 その表情の塊に、兵はたじろいでしまう。 そして暫しの沈黙が流れ、またもや兵が1人テントに駆け込むように入ってきた。 「今度は…………なんだ?」 カーネルも口をあんぐりとあけ、呆然としながらも言葉を発する。 「……しょ、少年により…………モロ族は鎮圧されました」 カーネルは胃が痛くなった。 もしかしたら、穴が開いたかもしれない。
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