魔法使い

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━━・・・《満月の部屋》 別の名を開かずの部屋。 聞いた噂によると 創立当初からある部屋らしいのだが、使われずにただただ場所だけ存在してる。 掃除だって誰がしてるのか分からない。 むしろ、してるところなんて見たことないし、誰かが入っていくところも目撃されたことがない。 学校の案内パンフレットにも、この部屋だけが紹介されていない。 とにかく『謎』の部屋なのだ。 こんな謎だらけの部屋に摩訶不思議な噂がないはずがない。 〝満月の夜になると、誰かがこの部屋で儀式をするみたいよ? まぁ、なんの儀式だか知らないけどー。 あ、でもでも! 満月の夜にこの部屋が使われているのは事実みたい!! 私見ちゃったんだよね~ 外からカーテンの隙間から零れた光っ♪〟 友達から聞いた噂が本当なら、今、もしかしたら誰か居るのかもしれない。 だって、今日は満月。 私は汗ばむ手で金属製のドラノブを掴んだ。 ガチャン、と静寂な空気を響かす音は 私の鼓動を更に速める。 ギーッというドアの開く音。 黄色い光がだんだん広がっていく。 誰か、居るの・・・?
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