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ドンッと肩と肩がぶつかった
ふわぁっと何か甘い香りが鼻をかすめた。
「あ、ご、ごめんなさい!今ちょっと急いでて!!本当、ごめんなさい!!!」
彼女からだろうか?
申し訳なさそうに
何度も何度も激しく頭を下げ、謝るたびに、やはり甘い香りがする。
お菓子のような、ケーキのような、とにかく甘い。
だが、だからといって違和感はなく、むしろ彼女のイメージにぴったりだ。
「あ、いえ。大丈夫ですよ?だから、そんな謝らないで下さい。」
苦笑し、戸惑う私。
ただ肩がぶつかっただけなのに
そんな謝られたらだんだん私にも罪悪感が芽生えてしまう。
「本当にすみません。あ!早く行かなくちゃ!失礼します!!」
そう言ってタタタッと走っていってしまった。
なんか忙しい人だなあ。
でも、あの子・・・制服じゃなかった・・・?
ウチの学校の制服はバリエーション豊かで
スカートといってもチェックや無地、色も赤や紺や黒などたくさん種類があって、特にこれといった指定もない。
基本自由なのだ。
でもさっきの子は確かに一見制服チックだった。
胸元が適度に開いた真っ白なワイシャツ。
鎖骨の辺りにキラキラ光る星をモチーフとしたネックレス。真っ赤なプリーツ、茶色のチェック模様のミニスカート。
手首には薄ピンクの生地に白いドットのシュシュ。
でも、よくよく考えると、こんな制服はない。
また、可愛らしいメイクもされていた。
茶色のアイラインにベージュのシャドウがピンクのファッションを際立たせ、
淡く控えめなグロスが
唇が動くたびにキラキラと輝き、思わず目が奪われてしまう。
そんな魅力的なメイクだった。
髪型もふわふわとカールされていて
全身的に可愛い後輩!という感じ。
あの子、かわいかったなぁ。なんて、女の私から見ても思ってしまう。
「あ!あたしも早く職員室に行かないと。」
しばらくボーッとしてた私は手に持つ課題の重さに気が付き
急いで職員室へと向かった。
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