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ボクの魚が連れて来てくれたのは、水の中の黄金の宮殿だった。そこで魚がボクに美しいドレスと、煌びやかな透明な石でできた靴をくれた。
凄いんだ。たぶんクリスタル(水晶石)だと思うけど、まるで王冠に付いてる宝石みたいな、そんな靴だ。
ドレスも金糸銀糸の刺繍や、羽根でできてるみたいなレースや、キツネの毛皮みたいな艶やかなベロア。
でも何より凄いと感じるのは、その空気。目に見えない神々しい光と言うか、輝いた空気を纏ったドレスと靴だった。
魚はそれを着るようにボクに言った。でもボクはあまりの神々しさに気後れをしてしまって、着ることができなかった。それに女の子の服なんて、十年も着たことがなかったから。
「ならば、これが着たくなったり必要になったら、ここの水辺においで。もういつでも一人でこの宮殿に来られるから」
魚はそう言ってくれた。
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