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ボクは魚に礼を言って、その大きな体に抱き付いてキスをした。エラのところにしか届かなかったけど、お父さまや母さまの頬にするみたいに。
ボクの魚は、ボクの成長と一緒に育てた、ボクの唯一の大事な大事な友達だからね。その友達がボクの誕生日を、こんなに素敵に祝ってくれたことが何よりも嬉しかった。
たとえドレスや靴をくれなくったって、構やしなかった。心から祝ってくれたのが本当に嬉しかったんだから。
それからボクは黄金の宮殿の池を出て、お継母さんの言い付け通り、山向こうの泉に向かって歩いて行ったんだ。
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