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昔。お父さまが夕食にと、魚を数匹捕って来た。
中に一匹。目が金色の魚がいた。ボクはそれが、とても気に入って、食べてしまうなんて可哀想で、お父さまに頼み込んだ。ボクにくれるようにと。
そうして、瓶に水を張って飼うことにした。
その晩、寝床の藁を敷く前に瓶を覗くと。
「私を生かしてくれてありがとう。できるなら私を池に放してもらいたい」
そう、金色の目の魚は言った。
だからボクは池に放してやった。
その晩、お父さまは倒れた。そして三日後には死んでしまった。
魚は、お父さまがボクにくれた、最後のプレゼントになった。
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