4

3/3
前へ
/38ページ
次へ
ふたりで夜の街に繰り出す。 金曜日の夜や土曜日じゃなくてよかったと思う。ホテルが満室ばかりだったら、興ざめしてしまうから・・・。 薄暗いホテルの部屋で恭一と抱き合うと、ひどくドキドキした。 「お前、なに震えてるの?」 「震えてないよ」 友達だと思っていた恭一と、キスをする。 「やっとこうなったと思ったら、遠距離恋愛だな」 「え?わたしのこと好きだったの?」 「何をいまさら」 恭一は急に「逃げるなよ」と言って、腕に力を入れてわたしを抱きしめた。 「子供じゃないもの、逃げないわよ」 でも、恭一は、転勤してなかなか会えなくなってしまう。 「わたし、ものすごく寂しがり屋なんだけど」 「知ってる。でも、お前は俺じゃなきゃ駄目なんだよ」 そう言われるとそんな気もした。 ,
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

344人が本棚に入れています
本棚に追加