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ふたりで夜の街に繰り出す。
金曜日の夜や土曜日じゃなくてよかったと思う。ホテルが満室ばかりだったら、興ざめしてしまうから・・・。
薄暗いホテルの部屋で恭一と抱き合うと、ひどくドキドキした。
「お前、なに震えてるの?」
「震えてないよ」
友達だと思っていた恭一と、キスをする。
「やっとこうなったと思ったら、遠距離恋愛だな」
「え?わたしのこと好きだったの?」
「何をいまさら」
恭一は急に「逃げるなよ」と言って、腕に力を入れてわたしを抱きしめた。
「子供じゃないもの、逃げないわよ」
でも、恭一は、転勤してなかなか会えなくなってしまう。
「わたし、ものすごく寂しがり屋なんだけど」
「知ってる。でも、お前は俺じゃなきゃ駄目なんだよ」
そう言われるとそんな気もした。
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