344人が本棚に入れています
本棚に追加
「あー、あの子ね、こないだまで上司と不倫。あたしとおんなじね」
葉子はよくしゃべる。
秘密だの、内緒だの、意味がない。
「なんか今はホストにはまってるんだってよ?」
聡も、明も、博も、ギャハハハと笑った。
彼女は、同窓会の二次会で、自分の噂話が酒の肴になっているなんて思いもしないのだろう。
「しょうがねぇなあ。ホストより、恭一の方が絶対いいのにさぁ」
聡が眉を寄せながら言う。
「俺の彼女に、美奈子の爪の垢を…」
と、つぶやいて黙ったのは明だ。何をイラついているのか、だいぶピッチが早い。
「フッ」
と、博は鼻で笑った。
だが、「そのうちまた皆で集まれるようになるさ」と言ったのも博だった。
,
最初のコメントを投稿しよう!