第二章

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「あら? 上海が他人に懐いてるなんて珍しいわね」 「そうなんですか?」 「そうよ 基本私から離れたりしないもの」 アリスは紅茶を注ぎながらそんなことを言う。 「上海、そうなのか?」 撫でながら聞いてみると頭を縦に振っている。 肯定の表しだろう。 ・・・可愛い。 「上海は何故ひとりでに動けるんですか?」 「動く理由は私が魔力を送っているからよ 魔力が切れたら動かなくなるわ 上海は自分の意思だって持ってるの 命令することがなかったら自発的に行動もするわ」 そうだったのか・・・。 魔力なんて・・・ゲームかよ。 しかし実際動いてるんだし納得せざるをえない。 「さて、他に何か聞きたい事は?」 そうだ。他に知りたい事は山ほどある。 「ルーミアにも同じ質問をしたんですけれどね・・・ ここは一体どこなんですか?」 「ルーミアはなんて?」 「魔法の森、と」 「フフ ルーミアは正直ねぇ 確かにここは魔法の森ね」 「えと、そうなんでしょうけど・・・」 「わかってるわ 此処はね、"幻想郷"というの」 幻想郷? ホントに異世界とでもいうのだろうか・・・。 「それは僕のいた世界とは違うものなんでしょうか・・・?」 「そうだと思うわ 見たところ私達と衣服も違うし、私は貴方を連れて来るような妖怪に心当たりがあるもの そうして連れて来られた者の事を総じて外来人と私達は呼んでいるわ」
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