第一章

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美少女がそこにいた。 金色の髪で頭にリボンをつけている。 服はこの夜の闇と同化しそうな黒い服。 「た、食べてもいい人間とゆーのは俺の事か?」 「そうなのだー 他に誰かいるのかー?」 正論である。 「俺なんか食べても・・・美味しくなんかないぞ?」 あまりに幼く可愛い女の子とはいえ命の危険であることくらいわかる。 さっきからおかしいことだらけなのだから。 「そうなのかー? でもルーミアはお腹空いたのだー 味は我慢するのだー」 ふむ、さほど頭のよい子とは思えないが油断は禁物。 どうしようか・・・ 「我慢出来ないのだー もういいかー?」 「ちょ、ちょっと待ってくれ!」 何か・・・何かないか!? 俺はポケットを漁る―――と同時に何かを掴む。 ん? これはここに来る前に・・・ 「えと、ルーミアちゃん?」 「なんなのだー?」 「ルーミアちゃん、俺より美味しい物があるんだがそれじゃダメかな?」 「それは食べてみてから決めるのだー」 ですよねー。 「これなんだけど・・・」 とポケットから 飴 を取り出しルーミアに投げて渡す。 この飴、よくCMでやってるアレだ、特別な存在になれるやつ。 「わわっ!!」 ルーミアがなんとかそれを受け取り口に含む。ん? 含む? そのまま? 「美味しくないのだー!!」 「当たり前だ、お馬鹿! 一回出して返しなさい!」 ルーミアの唾液で濡れた袋から飴を取り出し口に入れてやる。 「ど、どうだ?」
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