第一章

4/4
前へ
/24ページ
次へ
「甘くて美味しいのだー!」 「それはよかった・・・ 俺なんか食べなくてもいいだろ?」 「・・・まだあるのかー?」 「ハハ、まだまだあるよ」 「ならそれでいいのだー」 ぉk。窮地は脱した! 「ルーミアちゃん、俺は森から出たいんだけど・・・案内してもらえるかな?」 内心びくびくもんだった。 「これのお礼なのだー お安い御用なのだー」 「ありがとう、ルーミアちゃん」 ルーミアと二人森の中を歩く。 ここで疑問点を解消しておこう。 「ルーミアちゃん ここは一体何処なんだ?」 「変な事を聞くのだー 魔法の森なのだー」 "魔法の森" それは勿論聞いた事もない地名で・・・。 やっぱりもといた場所とは全然違うということか・・・。 情報が足りなすぎるな・・・。 「おかわり」 「ん。あぁ、ほら」 飴を手渡す。 ・・・袋は開けてから。 「何処か人の済んでる所に行きたいんだけど・・・」 「人なのかー? すぐそこの家に一人住んでるのだー」 「ホントか!? だったら案内はここまでいいよ」 本当ならルーミアの住んでいる所まで行きたかったが、さすがに人を食べようとする人の所にはあまり行きたくなかった。 ルーミアには失礼かもしれないけど・・・。 「そうなのかー? じゃここでお別れなのだー」 どうやらさほど気にしてないようだ。 「ルーミアちゃん、ちょっと待って」 「なんなのだー?」 「これ持って行きな ここまでの道案内のお礼 ありがとな」 「うわぁ、ありがとうなのだー」 残りの飴を全てルーミアにあげた。 「ちゃんと袋から出すんだぞ?」 「わかってるのだー バイバーイ」 そう言って夜の闇へと溶けていった。 「さて、と・・・」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加