その1 出会い

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日にちは忘れちゃったけど、初めて行ったのは3年前の9月。 会社の人と4人で‥社会見学と称して行ってみた。 予約したのが遅かったのか、席は末席・舞台の真横・柱でロクにショーも見えない最悪のテーブル席だったんだよ。 『綺麗なおかまちゃんや、イケメンダンサーと、おしゃべり出来て癒される。 ショーパブ杏門』って言ったら、立川界隈じゃちょっと有名だけど…。 12・13人居るはずなのに… 「いらっしゃーい、レモンでーす」 って、来たのはやたらケバいおっさんオカマがただ一人。 「オカマの回転寿司だからね。 次から次へとオカマが来るわよ」 と言ったくせに、後はだ~れも来やしない!! 大して美味しくもないつまみを食べながら、ただ、ただ 飲み放題のウーロン茶を飲むばっかりよ。 ショーが始まって… それを真横から柱に邪魔されながら、首を左右に動かしつつ‥とりあえずは見たよ。 うるさいばっかで、よく分からなかった。 くそ面白くもない! 舞台の真ん前で見た人は、さぞかし楽しかっただろうさ。 こっちは末席・の末席・ロクにショーも見えなけりゃ、オカマにも相手にされない、最悪の杏門デビューだったね~。 「一度行けば沢山だ! 二度と行かない!!」 と,捨てぜりふを吐いたもんよ。 出口で‥ お客を送り出していた,スーツ姿の男性に 「誰か気に入った子が居たら、呼びましょうか? 一緒に写真でも、撮りますか?」 と言われて、すぐに 「一番右で踊っていた男の子!!」と答えた。 それが‥たっちゃんとの初めての出会いになるワケなんだけど…… 一言もしやべらず。 ただ、並んで写真を一枚撮っただけ……。 スマートで・きれいで・可愛いコだなあ…… と言う印象。 イケメンダンサーか…… まず、縁はないな、世界が違うわ。 その時はそう思ったよ。 それが、2年後にまさかこんなにハマるとは、全く夢にも思わなかったねえ。 そして、しばらくは‥杏門に行った事さえわすれていたんだけど……。
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