その3 そして私はたっちゃんにハマった

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杏門の話を誰かにすると 「行きたい! 連れてってよ!」とたいがい言われる。 “杏門”と言うオカマのショーパブが、立川の南口にあるのは、行った事のない人にも知られていて、一度は行ってみたいと、思って居るらしい。 で‥別の人達と、また行く事になったのが……7月7日。 杏門は七夕の特別イベント“ゆかた祭り”とかで、スタッフもお客もゆかたを着てた。 私なんかそんな事知らないからさ~、普段通りで行ったのよ。 いつもより料金も高かったね~。 混んでいるのは、イヤだな~と思ったけど‥ その割じゃなかったかな? また、レモンが来た。 このオカマ、私がレモンのファンだとでも思ってんのか‥ 違うぞ! 次は誰が来るかなあ?とキョロキョロしてたら、白地に竜の絵がらの浴衣を着た、あのキレイな男の子が目の前を通った。 ちょっと行って、ボーっと立ってる。 目が合った! “おいで・おいで”してみる。 来た。 ヨッシャ!! 5人で行ってたから‥6人掛けのテーブルは、私の隣が1席空いていた。 ラッキー!! で‥イスをポンポンたたいて、座るように合図したら、 来た来た。 「いらっしゃいませ。 こんばんは」だってよ。 初めて声を聞いたわ。 何か、意外に男っぽいぞ! ジャニーズ系だから、もっと甲高い声を出すのかと思ってたけど…… いや!考えつかなかったなぁ。 男っぽい! 名刺をくれた。 “赤星龍彦” 初めて、やっと、名前を知ったね。 「本名なの?」 「そうですよ」 「へえ~、すごいね。 芸名みたいだね」 「そうですか?」 そうだよ!本当に本名かい?? 「男の子も男の人が好きなの?」 「いいえ、男の子はノーマルですよ」 いろいろ話したけど、舞い上がっちゃって何をしゃべったんだか、覚えてない。 ドキドキドキドキって、心臓が口から飛び出しそうだったなぁ~。 「じゃあ、ごゆっくり…」って、10分くらい居て、他のテーブルに行った時は、ほっとしたよ。 50センチくらいの至近距離で、じっくり見たよ。 遠目で見た時から、実は一目惚れだったんだわ。 可愛い!キュート!もうクラクラよ。 目が点。 (杏樹)image=54747552.jpg
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