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「ねえっ､聞いてんの？」
「聞いてる聞いてる」
「もうっ…ケイゴのバカ！」
恋は盲目だと誰かが言った｡友達は確かにねー､なんて頷くけどあたしにはわかんない｡だってケイゴはいつもこんな感じであたしの話なんか聞いてなんかいない｡
「ミチル､」
「うっさい､話かけないでバカ！」
「またバカか」
あたしの口癖はバカだと誰かが言った｡…誰かってケイゴだけどあたしから言わせればいつもそう言わせてるケイゴのせいだ｡そうに違いないない､あたしのせいじゃない
「話かけないでっつったて無理」
「なんでよ､もーいいって」
「よくねぇよ」
「よくある」
「ねぇっつってんだろ」
段々､ケイゴの口調にも力がこもってきたのがわかった､ケイゴイラついてる｡…だけど引き下がりたくもないわけで､あたしは変わらずスタスタとケイゴの前を歩いていた｡ケイゴはずっとついてきている｡
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