ブーゲンビリア

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    またあたしの頭をなでだした。今度はさっきよりも優しくずっと優しく規制正しくあたしの頭を撫でる。すると腰に回していた腕がほどかれ、あたしの左手に触れた 「っ」 …嘘だ嘘だ嘘だ。だってこの感触、嘘だ。左手の薬指に違和感がありすぎるよ。だって〝それ〟は今、渡すようなもの?ケイゴ、もうあたし心臓も目も痛いよ 「ミチル、結婚しようか」 「なんで今なのーっ、ばかー」 「君、今日何回言うんですかバカを」 「わかんないっ、ケイゴのせいっ」 「はいはい、バカですよ。敢えて言うならミチルバカですね」 恋は盲目だと誰かが言った。 今ならわかる気がする。あたしはきっとケイゴの何気ない一言ですぐに機嫌が直ったりしてしまう単純なあたし。敢えて言うならあたしはケイゴバカですか。 「で、返事は?」 「ばか」 「はいー、5回目ー」 「数えてたのっ!?」 ブーゲンビリア (ミチルのこと可愛いくて見つめすぎて会話に集中できてない、なんて言えません。ちなみに今日は出会って3回目の春です)  
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