5人が本棚に入れています
本棚に追加
『パラノイア』は、精神病にかかった主人公が殺人方法やその場面を妄想し始め、そこから歯止めが効かなくなり次々と殺人を繰り返すという話だ。
その手の人には有名だが、一般的に認知度の高い作品だとは言い難い。
少なくとも、一般女子高校生が好んで読むような類の本ではない。
「ほら、授業はじまるぞ。いつまでもぼーっとしてるんじゃない」
思考に没頭していた僕は、再び遠藤先生の声で我に返った。
「では、私はそろそろ失礼します」
「僕も授業が始まるので帰りますね。本は読み終わったら返してください」
「おう、わかったわかった。最近物騒な通り魔が出てるようだからお前らも気をつけろよー」
「あぁ、例のスクープアイですね」
最初のコメントを投稿しよう!