第六章

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フォルメント:「トオマ!?」 フォルメントは後ろに倒れていく十真(とおま)を見て慌てる。 トスン…といつの間にか十真の背後に来ていたメトンのザイル族が彼を抱き留める。 フォルメント:「あ…」 フォルメントはザイル族を見る。 ザイル族:「お嬢ちゃん、あんたの細っこくてちっちゃい腕じゃ…この人間ボーイは支えられねーよ」 ザイル族はフォルメントにウインクする。 メトンは顎に手をかけて十真を見る。 メトン:「旦那ぁ…この人間、『容量超過(エクシス・キャパシティー)』って、へばってますぜ」 ザイル族:「あん?…だろーな。人間ボーイはろくに魔法を扱えないのにあんな魔法を発動したんだ。ぶっ倒れてもおかしくはないさ」 フォルメントは戸惑いながらザイル族を見た。 ザイル族:「お嬢ちゃん、あんたの相棒は俺が送り届けてやるから心配するな!、別に俺は人間ボーイを食ったりはしねーよ、ガハハハハハ」 メトン:「旦那ぁ…そんなに歯を見せながら笑っちゃ…言葉の説得力がありませんぜ?」 ザイル族とメトンは笑う。 フォルメントは十真の傍でホームに戻る。 < ホーム > メトンのザイル族は十真を抱き上げたまま赤いボードに乗って戻ってきた。 ザイル族:「…ん?」 メトンのザイル族は出入口にどんっと立っているウルフハウンド族とポアスティング族の存在に気付く。 ウルフハウンド族は逆立った赤い髪をした妖精を連れ、ポアスティング族は黄緑の髪を二つ結びにした妖精を連れていた。 二人は真面目な顔つきでメトンのザイル族の前に立っていた。 クレイフィン:「うちの仲間が世話になったな」 ゼファル:「ありがとう、えーっと…」 ゼファルはそういってザイル族から十真を受け取るように近づく。ニカッとザイル族が笑うと、近づいてくるゼファルに十真を渡す。 ザイル族:「ラミセルドだ…ついでに連れはメトンって名だ」 メトン:「どーも」 メトンはシンザスとティニーに手をあげる。 シンザスはメトンの視界からティニーを遮る。それを見たメトンはラミセルドに囁く。 メトン:「旦那、旦那っあの二人…ムフフフ」 ラミセルドはメトンの話を聞いて頭を突く。
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