第六章

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ラミセルド:「こらこら…あまりああいうタイプの妖精と絡むなよ?一一意外と執着心が強くて噛み付かれるぞ?」 ラミセルドはニタニタと笑ってシンザスを見る。 シンザスは真っ赤になっていると、ティニーが「クスクス」と笑いながら彼を落ち着かせる。 ティニー:「まぁまぁ…落ち着いて?」 ティニーはシンザスの肩に手を置いて小首を傾げながら上目遣いで見上げる。 シンザス:「…ぉう」 シンザスは照れながら小さく頷く。 それを見たラミセルドとメトンが大笑いをする。 ラミセルドが一通り笑っていると、ゼファルがふっと真面目な顔つきになって彼を見る。 ゼファル:「ラミセルド、今回は本当にありがとう。何だか…借りが出来ちゃったなぁ…」 ラミセルドはゼファルの言葉にニヤッと笑う。 ラミセルド:「この借りは大きいぜ?…そうだなぁ…俺が昇格してお二人と同格になったらこの借りを返してもらおうかな?」 ゼファル:「ぇ?」 クレイフィン:「………」 ゼファルが瞬きをする。クレイフィンはじっとラミセルドを見つめる。 ラミセルド:「一一初級の無勝のゼファルと、中級の無敗のクレイフィン…だろ?」 ゼファル/シンザス:「!?」 クレイ/ティニー:「………」 ラミセルドは意味ありげに微笑む。 ラミセルド:「俺、高い目標があったら頑張れるんだよなー」 ラミセルドは遠回しに早々と二人に対戦を依頼する。対戦は同じ階級の人にしか依頼が出来ない。 ゼファルが戸惑っていると、クレイフィンが言う。 クレイフィン:「ゼファル、お前も男だろう?ラミセルドの態度を見習って少しは積極的になれ」 ゼファル:「えっ!?…えっと…」 クレイフィン:「ラミセルド、貴方がもしゼファルに勝てたら相手になろう一一それまで生きていられたらの話だがな」 ラミセルドはスッとクレイフィンに手を差し出す。 ラミセルド:「その話、超乗ったぜ!!」 そしてガシッと掴むと、メトンを連れてスキップするように軽やかなステップを踏みながら去る。 ゼファル:「クレイ…どうして俺も条件に含めたんだ…?」 クレイフィン:「一一私はあのザイル族に興味があった。階級なしなのに…あの容量(キャパシティー)…昇格するごとに化けるかもしれない」 クレイフィンはラミセルドを目で追った。
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