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ぽすん…こてん…といったかわいらしい音が聞こえてきそうな転がり方だった。
十真(とおま)は目を丸くしてフォルメントを掬い上げる。
十真:「わ…ごめん、フォルメントっ!…なんかスッゴい夢を見ちゃってさ…思わず跳ね起きちゃったよ…。っていうかさ、いつの間に俺はベッドinしてるんだ??」
フォルメントは十真の表情が目まぐるしく変わるのを見て微笑む。
彼女はラミセルドとメトンの話と、ゼファル、クレイフィンの話をした。
十真:「へー…あのザイル族のおっちゃんが…」
十真はあのザイル族とゼファルやクレイフィンが戦う姿を見てみたいと思った。
十真はベッドからフォルメントを抱え上げたまま立ち上がると、彼女は慌てて手の平から飛び立って彼の前に立ちはだかる。
フォルメント:「ど、どこに行く気なのよっ」
十真:「え?…目覚めたから…散歩しようかな、と」
フォルメントは頭をブンブンと左右に振る。
フォルメント:「駄目だってば!、貴方…対戦して間もないのよ!?…貴方が大丈夫でも身体が悲鳴をあげてるはずよっ」
十真は必死に止めるフォルメントを見て困ったように頭を掻く。
十真:「そう言われてもなぁ…俺としては眠ったおかげでピンピンしてるんだけど」
フォルメントはじっと、十真に真っ直ぐに見つめられて「うっ」となる。
基本的に妖精はパートナーに弱い習性がある。
フォルメントはパタパタと仕方なく、十真の左胸ポケットに収まる。
十真はニコニコしながら…右手を掲げる。
十真:「レッツゴー!」
フォルメントは左胸ポケットの中で頭を抱えていた。
フォルメント:「(あたしのバカバカバカーっ)」
< 通路 >
十真は通路に行くと、すれ違う種族に「あの魔法は良かったぞ!」と絶賛されながらも、「仲間がいないようなら入っても良いぞ」と勧誘された。
これまでとは違った態度に十真はうろたえていた。
フォルメント:「(皆…トオマの対戦を見てたって証拠ね)」
フォルメントは「クスクス」と笑う。
十真:「(かな?…でも…あの土人形が変化したせいじゃないかって思う。だから彼等が見たんじゃ…?)」
十真が考え込む。
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