第二部・英雄

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十真:「あ…。何て言うか…」 十真(とおま)は頭を掻く。 ラミセルド:「とりあえず、俺に言ってみろよ?…同じ階級同士で協力して戦った仲だろーが」 十真はその言葉に小さく頷く。一度、助けてもらい、世話になっている。 クレイフィンの名前を出さずに彼は相談してみることにする。 十真:「なぁ…ザイル族のおっちゃん、『種族の争い』についてどう思う?」 ラミセルド:「え?…そうだなー…種族の争いか…」 ラミセルドは頭を掻く。その言葉で彼は十真が抱え込んでいる問題に気付く。 ラミセルド:「成る程。お前の仲間は確か一一」 十真は的を射た言葉に慌てて否定する。 十真:「お、俺の仲間とは全く関係はな一一」 慌てる十真を見てラミセルドとメトンがニヤリと笑う。 メトン:「旦那ぁ…この人間ボーイは嘘が苦手なようですぜ?」 フォルメントはそれを聞いた瞬間、十真とラミセルドの前に立ちはだかる。 十真/ラミ:「!?」 フォルメントは必死な様子で十真をその話題から守ろうとしていた。 フォルメント:「トオマが困ることは聞いたら駄目よっ」 ラミセルド:「ほほぉ…そんなに必死に隠そうとするなんて…逆に気になるなぁ…」 フォルメントがした行動は逆に裏目に出てしまった。 十真はラミセルドを信頼して、クレイフィンの問題を伝えてみた。 ラミセルドはその話を聞いて頭を掻いていた。 ラミセルド:「成る程なぁ…人間ボーイが困るのも仕方ないなー。その二つの種族の争いは昔からあるみたいだから」 メトン:「俺もいつ頃からポアスティング族とウルフハウンド族の争いがあったのかは忘れちまったなぁ…あんたはどうよ?」 メトンがフォルメントを見る。 フォルメント:「………、えぇ…そうね」 十真:「?、フォルメント?」 フォルメントは十真に微笑むだけだった。 それから十真達は滝の画面で仲良く観戦して別れた。 十真はたまたま出会ったラミセルド達のおかげで心のモヤモヤが晴れたような気持ちだった。
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