第二部・英雄

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シンザス:「…もちろんだ」 シンザスはティニーを抱く手に力を込める。 シンザス:「(ゼファルのあのバカが一一もうちょっと上手くやれれば…ティニーやクレイは苦しまなくていいっていうのに…)」 シンザスはゼファルがクレイフィンを調べているのを、彼は性格上分かっていた。 シンザス:「(この問題は本当にティニーが言うようにオレ達が関わる問題なのか…そこがまた疑わしいんだよな。…あそこまでクレイに夢中になるポアスティング族の考えが気にかかるが…)」 シンザスはティニーを落ち着くまでBARにいた。 < 通路 > 十真が目覚める少し前、クレイフィンは通路にいた。 彼女は一人で目的地を目指しながら歩いているわけではなかったが、目的はあった。 ?:「クレイフィン」 クレイフィンの背後から誰かが声をかける。 クレイフィンは無表情で立ち止まるが、振り向きはしなかった。 クレイフィン:「一一またお前か」 と、その声と気配で呆れ果てていた。 クレイフィンが振り向くと、そこにはポアスティング族の女ばかりが立っていた。 クレイフィンを呼び止めた女を先頭にし、弧を描くように彼女を囲む。 クレイフィンを囲んだ彼女達はクレイフィンと同じように妖精を誰一人も連れていなかった、 ポアスティング族の女は性別以外の容姿は全てが同じだった。見分けるのは同族にしか出来なかった。 彼女達を見分ける方法は、両耳に付けているピアスの微妙な色合いとデザインだけだった。 クレイフィン:「………」 クレイフィンは彼女達にあまり興味ない様子だったが、彼女達は違った。 ラスカと呼ばれたポアスティング族はクレイフィンに敵意をむき出しだったが、彼女に従っている彼女達はクレイフィンに対して憧れの眼差しを降り注ぐという違いがあった。 通路を歩いていた種族や妖精達は自然な流れでそそくさとその場を避けながら通過していく。
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