第一章

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ティニーがクレイフィンへの不満を充電していた頃、クレイフィンは目を開けて彼女をじっと見ていた。 ティニー:「!?」 目が合ったティニーはあわてふためくと、不思議にふよふよと空に漂いだした。 クレイフィン:「…?、ティニー…外に行きたいのか?」 ティニー:「っ!、え?」 クレイフィンは真顔でティニーを見つめる。そんな表情で見つめられた彼女は固まってしまう。 ティニーからの返事がないクレイフィンは慌てることなく、ゆっくりと立ち上がる。 ティニー:「…クレイ?」 ティニーがクレイフィンの様子を窺うように声を掛ける。 すると、クレイフィンは小さく微笑む。 クレイフィン:「一一シンザスが恋しいんだろう?、眠らない溜まり場(レスト・センター)に行くから早く用意をするんだな」 クレイフィンはティニーの表情からシンザスが傍にいないのを淋しく思ったと勘違いをしていた。 ティニーは自分の感情とクレイフィンの感情と合致することはなかったが、お互いを思い合う気持ちは同じだった。 クレイフィンの気遣いにより、今回もまたシンザスに会いに行くこととなった。 < 眠らない溜まり場(レスト・センター) > クレイフィンが空いたテーブルを見つけ、いつもの定位置の椅子に座る。 そこには十真(とおま)やゼファル達の姿はなかった。 やがて、ゼファル…十真といつもの順番で彼等はやってきた。 十真:「お、おはよ…」 十真はぎこちない笑顔をゼファルやクレイフィンに向ける。 クレイフィン:「…?どうした、トオマ?」 クレイフィンは十真がいやに緊張しているのを見て不思議に思う。 クレイフィン:「今日は何か対戦が入っているのか?」 クレイフィンがテーブルに座るフォルメントを見る。 フォルメントはチラリと十真を見て微笑む。 フォルメント:「いいえ…今日は何もなかったわよ?、おそらく…夢見が悪かったんじゃないかしら」 クレイフィン:「…そうなのか?」 クレイフィンは十真を見ると、彼は慌てて頷く。 十真:「あ、ああっ!…こっちに来てから始めて見た怖い夢だったからなぁ…あはははは」 ゼファルは十真の苦しい言い訳に頭を抱えたくなった。彼は、十真が考えていたことが分かっていた。 十真は昨日、ゼファルと話をしたクレイフィンを巻き込む『ポアスティング族とウルフハウンド族』の争いが忘れたわけではなかったが、クレイフィンを見て鮮明に思い出した。
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