第一章

7/9

257人が本棚に入れています
本棚に追加
/1380ページ
< 森(?) > 森(?)は木ばかりあり、木の実がなっていたり、落ちたりはしていなかった。 十真:「…見事に何もないなぁ」 友人①:「あっれー?、俺の見立てに狂いはなかったはずだったんだけど…」 十真は友人①の肩を叩く。 十真:「ま、狂いはたまにはあるほうが面白いって。一一迷う前に戻ろう」 友人①は十真の言葉に頷く。 友人①:「そうだなー」 友人①は悔しそうに頭を掻きながら、もと来た道を戻っていく。 < 夜 > 十真と友人①が戻ると、友人達は川魚をかなりの量を釣っていた。それを見た友人①は両手両膝を付いて号泣をする。 友人①:「うぅ…」 十真はぽんぽんと肩を叩く。 十真:「ドンマイ。さぁ…夕食の準備をしようか」 十真と友人達は落ち込む友人①をほったらかしにし、燃えやすい木の枝や草を集める。 テントや食料は持ってこなかったが、十真は彼等が持ってこなさそうな『マッチ』を持ってきていた為に、焼いて食べる事にした。 < ぷぅ~ん… > 良い香りが落ち込む友人①の鼻に届く。 友人①:「十真…」 十真:「ん?」 十真は友人達と囲む輪の中にいた。彼が振り向くと友人達も振り返る。 友人①は立ち上がってスッ…と十真に何かを差し出す。 十真:「何だこれは…塩…?」 友人①はゆっくりと頷く。 友人①:「うん…川魚にはやっぱり…塩焼きが…」 十真はニッコリと微笑むと友人①に向かってぽんぽんと隣の地面を叩く。 十真:「それはお前の役目だろ?、来いよ」 友人①:「十真ぁっ!」 すると友人①の表情は輝きだし、隣に飛んでくる。 楽しい時間は直ぐに過ぎていく。十真達は明日も遊ぶ為に早々と眠る。 十真:「………」 十真は駐車場で雑魚寝する友人達を見て小さく微笑む。 満天の星空の下には大切な友人達の幸せそうな寝顔がある。 十真:「(今年は一一最高の夏になりそうだな)」 十真はそう思うと、チカッと一瞬だけ光りが視界に入る。 十真:「な…んだ?」 十真はその方向に目をやる。そこは友人①と入っていった森(?)の中。彼はちらりと友人①と友人達を見て腰を浮かす。image=293575487.jpg
/1380ページ

最初のコメントを投稿しよう!

257人が本棚に入れています
本棚に追加