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ゼファルは十真(とおま)の慰(なぐ)めから自分の擁護(ようご)に回る。
ゼファル:「えっ、えっと…やっぱり…フォルメントのパートナーは異性のトオマだし、ティニーは恋人であるシンザスの一一相談かなっ?」
十真とシンザスがゼファルに詰め寄る。
十真/シンザス:「何でフォルメント(ティニー)が俺(オレ)の悩みを抱えなくちゃならねーんだよ?」
再びハモる二人。あたふたしだすゼファル。そしてそれに気付かないフォルメントとティニー、それらのことに興味ないクレイフィン。
困ったゼファルはクレイフィンに助け舟を求めるように視線を向ける。
ゼファル:「(クレイっ)」
クレイフィンはゼファルのほうを向いて短いため息を吐く。
クレイフィン:「トオマ、シンザス。そうゼファルをいじめるな一一負け犬の遠吠えのように聞こえてしまうぞ」
十真/シンザス:「!、負け犬って一一」
十真とシンザスはしゅん…とおとなしくなる。彼等はフォルメントやティニーに対して何とも言えない気持ちのままで沈み込む。
クレイフィンの言葉には不思議とグッと詰まってしまう何か力があった。
?:「お、そこが空いてたのか」
十真とシンザスが何とも言えない表情で固まっていた時、十真の真後ろから声が聞こえた。
十真の真後ろにはちょうど空いてたテーブルがあった。
そこに昨日、クレイフィンの突っ掛かりがやり過ぎじゃないかと詰め寄ったグラントがいるザイル族の三人組だった。
ザイル族②:「おい…大丈夫なのかよ?」
グラント:「んだよ、そんな辛気臭い顔をして」
ザイル族②:「一一ポアスティング族の争いに口を出すなんて…どうしちまったんだよ…お前らしくないぜ?」
< ピクッ >
ザイル族②の言葉に十真達が反応する。
十真とフォルメントとゼファルはクレイフィンが同族に詰め寄られていたのを思い出し、シンザスとティニーはクレイフィンがポアスティング族だったから、クレイフィンは何となく…だった。
グラント:「知るかよ!、ただ…あの人数に一人って許せなかったんだ」
ザイル族③:「お前ってやつは…とことん女に甘いなぁ…」
それを聞いたグラントは笑う。
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