第一章

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グラント:「ばーか、オレ…そこまで見境なくはないぞ。第一…ザイル族は基本的に女には優しいんだってば」 グラントは「カハハハハハ」と笑う。 ザイル族②:「一一おいおい…今のお前がそれを言っちゃう?」 ザイル族③:「マズイっしょ?…『昨日もアレから追われたんだって』な」 グラント:「ぅ…」 ザイル族②③:「モテる男は違いますなぁ~」 ザイル族②③がグラントを茶化すと、彼は困ったように頭を掻く。 グラント:「フフフ…モテる男の悲しい性ってやつさ」 グラントは流し目をしながらキメる。 それを見たザイル族②③と連れていた妖精達が笑っていた。 真後ろにいるのがザイル族だと知らない十真(とおま)は、グラント達をウルフハウンド族だと勘違いをしていた。 十真:「(ぇっ!?、何っ??一一ポアスティング族に詰め寄るって話…やっぱり…ゼファルが言ってたように…ポアスティング族とウルフハウンド族って仲が悪いのか!?…だから…真後ろの人達ってば…クレイフィンがいるのにこんなに大声で笑って、挑発しているのかっ!?)」 十真が間違った考えで焦っていると、フォルメントは彼の考えを聞いて思わず吹き出す。 それを見たシンザスとティニーが不思議そうにフォルメントを見た。 シンザス:「どうした、フォルメント」 フォルメントは手をヒラヒラと振る。 フォルメント:「ううん…何でもないわ。…パートナーの心の叫びで、ね」 シンザスとティニーはフォルメントのパートナーを見る。 パートナーは一人で表情をころころと変えながら何か焦っている様子を窺い知ることが出来た。 ティニー:「トオマ…忙しそうね」 シンザス:「けっ…何だよ…パートナーの感情が垂れ流しだっていうことを自慢するなよなー」 シンザスの言葉にフォルメントが怒る。 フォルメント:「何よーっ、垂れ流すほうが可愛いじゃないっ。考えが分からないのって寂しそう…」 シンザス:「何ぃ?」 フォルメントとシンザスがわけの分からない喧嘩に勃発しそうになるのをティニーが慌てて止める。
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